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短時間睡眠のコツ|睡眠の質を上げてショートスリーパーに近づく4ステップ【保存版】
「もっと時間がほしい」「毎日、余裕がない」「たくさんやりたいことがある」そんな人は、睡眠を削りたい…と思ったことがあるでしょう。
もちろん、睡眠は人間にとって欠かせないものです。2,3時間の睡眠不足が続くだけで、脳は二日酔いとほぼ同じ状態になるとも言われています(1)。
しかし「短時間の睡眠でもスッキリ回復して、毎日の時間を増やせる」なら、ぜひそうしたいところですよね。この願いを叶える方法が、ないわけではありません。眠り方を徹底して変え、効果的に睡眠を短くしていく方法です。
本当にショートスリーパーになりたいあなたに、デメリットを抑えながらも、効率の良い睡眠をつくる4ステップをお伝えしていきます。
短時間睡眠とは
短時間睡眠の定義はさまざまですが、日本人の睡眠時間は図のようになっており、一般的には5時間未満の睡眠のことです(2)。
短時間睡眠のメリット
そんな短時間睡眠の大きなメリットは、1日に使える時間が増えることでしょう。
例えば、7時間睡眠の方が5時間睡眠になれば、単純に1日あたり2時間、1ヶ月で60時間、1年では720時間(約1ヶ月)もの時間が多く使えるようになります。
仕事や勉強など、より多くの活動をしたい方にとって、使える時間が増えるメリットは大きいでしょう。
短時間睡眠のショートスリーパーといえば、次のような人物が有名です。
ナポレオン(4時間睡眠)
「男は6時間、女は7時間、バカは8時間睡眠だ」と言い放ったと伝えられる(3)。
エジソン(3〜4時間睡眠)
睡眠は時間の無駄だと考え、電球を発明した(4)。
レオナルド・ダ・ヴィンチ
まとまった睡眠はとらず、4時間おきに20分寝ている生活だったという(5)。
短時間睡眠の人は、すごい仕事をしているイメージがあり、確かに少し憧れますよね。
短時間睡眠のデメリット
しかしもちろんデメリットもあります。睡眠時間をけずった結果、不健康になったり、パフォーマンスが落ちてしまう可能性があることです。
人間は、眠っている間に疲れをとったり、記憶の整理をするといった多くの仕事を行っています。こうした睡眠の仕事は、100%の能力を発揮するのに欠かせないことです(6,7,8)。
短時間睡眠になると、この睡眠の仕事が充分に行われなくなります。つまり、睡眠を削るほど自分の能力も下がる危険があるのです。
例えば、睡眠不足や徹夜明けのときなど、頭がボーっとしてしまいますよね。
実際に、4時間睡眠と6時間睡眠でくらべた実験では、眠気にあまり差がなかったにもかかわらず、実験14日目には能力テストの成績が大きく開いていたとの結果もあります(9)。
他にも、睡眠不足の影響としては
- 集中力の低下
- ワーキングメモリの低下
- 記憶力の低下
- 論理的な思考能力の低下
などが考えられています(10)。
健康への影響も大きく、アメリカでの6年間の調査では、7時間前後の睡眠をとっている人が最も寿命が長く、睡眠時間が短くなるほど死亡率も高くなるとの結果も出ています(11)。
どれくらい睡眠時間を短くするべきか
上でお伝えしたように、短時間睡眠にはメリットもデメリットもあります。
- 睡眠時間を短くすると使える時間は増える
- しかし睡眠時間を短くすると能力が落ちる
この2つのバランスが問題です。つまり「パフォーマンス×使える時間」が最大になるような睡眠のとり方が問題なのです。どれくらい睡眠時間を短くするべきなのでしょうか。
ちょうど良い睡眠時間まで短くするのがベスト
結論から言うと、「睡眠の質を高めてから、パフォーマンスに影響しない範囲で、ちょうど良い睡眠時間まで短くする」ことをオススメします。
単純に考えると、睡眠不足でぼーっとした状態では仕事や勉強の効率は落ちてしまいます。脳やカラダを回復する「睡眠の仕事」が充分に行われていない状態です。
しかし、この睡眠の仕事を、もっと効率的に、短時間で行えるとすればどうでしょうか。
上の図のように「8時間眠らないとやっていけない」と思っていたのは、実は単純にグッスリ眠れていなかっただけで、本当は6時間でやっていける可能性もあるということです。
短時間睡眠は、時間の量を重視する人におすすめ
特に、使える時間の「量」を重視する方に、短時間睡眠をおすすめします。
質の高い睡眠で、かつ長く眠れば、それだけパフォーマンスも100%の状態にはなりますが、必ずしも100%である必要はありません。
とにかく時間の質より量がほしいという方は、パフォーマンスへの影響をおさえつつ、自分にとってちょうど良い睡眠時間まで短くするほうが良いでしょう。この後にお伝えする方法で、目安としては5〜6時間まで短くしていってください。
逆に、仕事の質が求められる方などは、睡眠時間を守るべきかもしれません。
たとえば、アマゾンCEOのジェフ・ベゾスは8時間睡眠にこだわっていますが「睡眠を削ればより多くの仕事ができるが、質の高い生産的な仕事とは言えない。毎日の仕事では量より質が重要だ」と語っています(12)。
睡眠の質を高めてショートスリーパーに近づく4ステップ
それでは睡眠の質を高めて、短時間睡眠を実現しましょう。以下の4ステップでやっていきます。
- 寝つきを良くする
- 目覚めを良くする
- 眠気をおさえる
- 睡眠時間を短くする
まずは睡眠の効果を高めることにフォーカスするため、睡眠時間を短くしても身体への影響は抑えるような方法となっています。ステップごとに、日々の生活に取りいれていきましょう。
短時間睡眠になれるか不安がある方も、睡眠の質を高めるところまでやってみて下さい。
ステップ1.寝つきを良くする
最初のステップは、寝つきを良くすることからやっていきます。なぜなら「睡眠は最初の90分が勝負」だからです。
図のように、人間は浅い睡眠と深い睡眠をおよそ90分のサイクルでくりかえします。その中でも、最初の深い睡眠(ノンレム睡眠)が大切です。疲れをとる成長ホルモンの分泌や、脳をキレイに掃除するはたらきなどが多く現れます(7,13)。
もちろん、浅い睡眠やレム睡眠のあいだでも他の「睡眠の仕事」が現れますが、この最初の90分が大事な睡眠の働きどころです。
つまり、ストンと落ちるように深い眠りに落ちれば、効果の高い睡眠をとりやすくなるのです。よって、まずは次にあげる3つのことを実践して「寝つき」を良くしてください。
1-1.寝る前に入浴をする
まず、寝る前にお風呂につかるようにしてください。入浴は、体温の変化を起こして寝つきを良くする効果があるためです。
図のように、お風呂につかって温まると、あがった後に湯冷めして体温が下がります。実は人間の体は、体温の下がったタイミングでより眠気を感じ、眠りやすくなるようになっています(14)。
ある実験では、寝る前の入浴で寝つきが18分はやくなったとも示されているほどです(15)。
寝つきを良くする入浴のポイントとしては、次の2点です。
- 入浴のタイミングは、ベッドに入る90分前がベスト。寝る直前に入ると、逆に寝つきを悪くする危険があります。
- つかる時間は、10~15分ほどに。身体を温めすぎても、逆効果になります。
寝る前にあまり時間がとれない場合は、シャワーを浴びるだけでも効果的です。シャワーの場合は、寝る30分前でもかまいません(16)。
さらにくわしく:寝る前の入浴、睡眠に効果アリ?ぐっすり眠れるお風呂の3つのコツ!
1-2.寝る前はスマホやパソコンを使えないようにする
寝る前はスマホ・パソコンを使えないようにしてください。単に寝る時間が遅れるだけでなく、SNSやネット、メールチェック等によって脳が興奮してしまい、寝つきが悪くなってしまう危険があるからです。
実際に、寝る前のメールチェックはエスプレッソ2杯分の覚醒効果があるとも言われています。寝る前のSNSも、約1.6倍も寝つきが悪くなりやすいとの研究もあるほどです(17,18)。
しかし、スマホやパソコンを「寝る前は使わない」と意識するだけでは、つい触ってしまいますよね。そこで、寝る前はデバイスを強制的にブロックするツールを使うことをオススメします。
デバイス別に、次のツールがオススメです。青い文字をクリックすると、詳しい使い方やアプリに飛びます。
- iPhone:Screen Time
iOS12から登場した新機能。決めた時間になると、アプリが使えなくなるように設定できる。 - Android:Tasker
寝る前になったら自動で機内モードにしたり、使えないように画面を暗くすることのできるアプリ。 - Mac:ペアレンタルコントロール
決まった時間になると強制的にログアウトし、それ以降は使えなくなる設定。 - Windows:タスクスケジューラ
毎日、決まった時間になるとシャットダウンする設定ができる。
アプリやツールが面倒くさい場合は、寝る60分前にアラームが鳴る設定をして「アラームが鳴ったら、すべてのデバイスの電源を切る」ようにするのも効果的です。
1-3.寝る前にリラックスタイムをつくる
寝る前になったら、リラックスタイムとしての時間を30〜60分ほどつくりましょう。だんだんと眠りやすい状態に持っていけば、あとはストンと眠るだけです。
寝る前のすごし方として、次にあげるものから1つでも試してください。
- 悩みや考え事を紙に書き出す
ベッドに入っても仕事や人間関係、明日の予定のことなどをずっと考えて、眠れなかったことはありませんか?紙に書きだすと、気持ちの整理がしやすくなります(19)。 - カモミールティーを飲む
カモミールティーは寝る前にぴったりの飲み物。成分にリラックス効果があります(20,21)。 - ストレッチをする
ゆっくりとリラックスしやすいためおすすめです。おすすめの3つのストレッチ方法はこちら。 - 瞑想をする
目を閉じて静かに心を落ち着ける「瞑想」も試してみると良いかもしれません。やり方は、5ステップで簡単!初心者でもできる効果的な瞑想のやり方をご覧ください。 - リラックスできる呼吸法を試す
「4秒吸って、7秒止めて、8秒吐く」というシンプルな方法です。ベッドに入る前などに試すと心が落ち着いてくるでしょう。くわしいやり方はこちら。
すべてやる必要はありませんが、どれか1つでもとりいれて寝る前にリラックスしてください。または、単に読書をしたり、明日の用意をしておくなどでもかまいません。
たとえば、筆者の場合は「10:30お風呂→11:00カモミールティーを飲みながら読書→11:30ストレッチ・瞑想」というリラックスタイムをすごすようにしています。
ステップ2.目覚めを良くする
次は、目覚めを良くしましょう。すぐにパッと起きられるようになっていないと、睡眠時間を短くしたときに二度寝してしまい、うまく短時間睡眠になれないからです。
目覚めを良くするために、次にあげる3つを取りいれてください。
2-1.目覚めを良くする目覚まし時計を使う
上の図のように、私たちは眠っている間、深い睡眠と浅い睡眠をくり返します。見れば何となくわかるように、目ざめやすいのは浅い睡眠のときです(22)。
逆に、深い睡眠で無理やりに起こされると、目覚めはかなり悪くなってしまいます(23)。
したがって、朝は無理やり起こすのではなく、浅い睡眠のタイミングで自然と起きるようにすることが効果的です。
自然とスッキリ起きるために、たとえば次の2つのような目覚ましの方法を使ってみてください。
① 光の目覚まし時計
起きる時間になると朝日のようにまぶしく光って「起きやすい状態をつくる」目覚まし。スッキリ自然に目覚めるには、ベストな目覚まし時計の1つです。
くわしい仕組み、おすすめの商品は【朝弱い人にオススメ!】光の目覚まし時計5選・効果的な理由とは?をご覧ください。
② スマホのアプリ
枕元におけば、身体の動きを感知して、浅い睡眠で起こしてくれます。ベッドにスマホを置くのが気にならなければ、使ってみる価値はあります。おすすめのアプリはこちら。
2-2.「目覚めの即起きルーチン」ですぐ起きられるよう訓練する
朝がきて目覚めたら、すぐベッドから起きられるように訓練しておきましょう。ウトウトしているうちに二度寝をくり返すようでは、短時間睡眠は望めません。
しかし、朝起きたあとは頭も身体も完全におきていない状態です。ここで無理に起きようとすると、眠気に負けてしまいます(24,25)。
そこで、起きるのに必要なステップを1つずつクリアする「目覚めの即起きルーチン」をやってみてください。具体的には、次の5つを行います。
① 起きたら、1分間だけ目を開けることに集中する
まず、起きたら1分間、何もせず目を開けることに集中してください。ここで目を閉じてしまっては、また眠くなってしまうからです。
人間は、目に光が入ると寝ている間の「お休みモード」のスイッチを切るようになっています。朝の光は、活動モードに切りかえる大事な役割があるのです(26,27)。
まずは、起きたあとにシッカリと目を開けて、1日のスタートをきりましょう。
② 布団の中で、ウォーミングアップをする
次に、身体を起こす朝のウォーミングアップとして「目覚めのポーズ」をやってみましょう。
布団をかぶった状態で構わないので、10秒間だけ腰をあげてキープしてください。筋肉を使うため、身体が少しあたたまってくるはずです。
起きた直後は、身体も完全に起きていない状態です。ここで確実に起きるためには、いきなり布団から出ようとせず、まず身体をうごかしてウォーミングアップをすることがコツです(24,25)。
③ 寝たまま10回の腹筋をして、起き上がる
次は、布団をかぶった状態で、シンプルに10回腹筋をしてみてください。「1、2、3、4…」と数えるうちに、起きたい気持ちが強くなってくるはずです。10回目でガバっと起きましょう。
起きようとするほどに「また寝たい」と抵抗する気持ちがわいてくるものですが、少しずつ勢いをつけることによって、起き上がるのがラクになるでしょう。
④ 布団を整える
身体が起き上がったら、すぐに布団を整えましょう。布団の隅をなおし、パタパタとはたいて中の空気を入れかえます。
布団の外との温度差がなくなるため、身体も徐々に慣れてきて、ベッドから抜け出るつらさがやわらぐでしょう。
⑤ ベッドから抜けて、目覚ましを止める
もうずっとベッドから抜けるのがラクになっているはずです。遠くで鳴っている目覚ましを止めに行きましょう。ここで迷わずスグに行くのがポイントです。
ここまで読んだら、以上の流れを一回だけ練習してみてください。明日の朝の本番で成功しやすくなるでしょう。
2-3.寝戻りを防ぐために、朝一番を決めておく
目覚めのルーチンで朝起きたあとは、すぐに1日をスタートできるよう、朝はじめにする行動を1つ決めておくことをオススメします。
上の図のように、朝にやることをしっかり決めておき「二度寝をする」という選択肢をなくしてしまうのです。
この仕組みが、ベッドへ戻るのを防ぎます。たとえば、次のようなことを朝一番にやると良いでしょう。
- 部屋のカーテンを開けて外の光を入れる
- 用意しておいた服に着替える
- コップ1杯の水を飲む
- 洗面所に行って顔を洗う・歯を磨く
- シャワーを浴びる
- コーヒーを淹れる
- 散歩をする
以上のような朝一番にやることを「私は、毎朝起きたあとに___する」という形で決めてください。忘れないように、紙に書いて目にとまるところに貼っておくと、忘れないためおすすめです。
ステップ3.眠気をおさえる
ステップ1と2で大きく睡眠の質は上がってきたことと思います。しかし、それでも短時間睡眠にすると眠気に襲われることもあるかもしれません。
そこで、眠気をコントロールする術をマスターして、日中のスッキリした状態を維持しましょう。
3-1.仮眠を活用する
まず、仮眠を活用することを覚えましょう。やはり眠気対策としてもっとも効果的だと言えるのは、寝ることです。実は、昼寝のような少しの睡眠でも眠気対策に効果的です。
たとえば、NASAがパイロットに対して行った実験では、26分の仮眠のあとでパフォーマンスが34%、覚醒度が54%も上がったとのレポートがあります(28)。
また、ナポレオンやエジソンといった短時間睡眠で有名な人の多くも、よく仮眠をとっていたと伝えられています(29)。
具体的には、次のようなポイントをおさえながら仮眠をとってください。
- タイミング:お昼下がりの12~14時の時間帯がベストです。眠気がやってくるタイミングを乗りこえると、午後もスッキリと活動しやすくなります(30)。
- 時間:15分〜20分の間で調整しましょう。30分以上のやや長めの仮眠では、起きたあとに眠くなってしまい、逆効果になる可能性があるためです(31)。
- 姿勢:できれば横になって寝るほうが効果的です。できなければ、デスクにうつ伏せになったり、だらんと座ってリラックスするだけでも構いません(32)。
もし仮眠をとる時間がない場合は、身体の力をぬいて5分だけ目をとじてみてください。何もしないよりは効果的とも言われています(33)。
さらにくわしい仮眠のコツは、こちらの記事をご覧ください。
3-2.サッとツボ押しで乗りきる
なんとなく疲れてきた、眠くなってきたな…という場合に効果的なのがツボ押しです。
たとえば、図の中衝というツボを10秒間グリグリと押してみましょう。中指の人差し指側、爪の生え際にあります。どうですか?少しまぶたが持ち上がったと思います。
眠くなりがちな午後などに、シャキッと目をさますスイッチとして押してみるといいでしょう。
その他の効果的なツボはこちらの記事で紹介しています。
3-3.眠気をおさえる食事法をマスターする
食事の仕方で眠気をおさえることも期待できます。食後の眠気は、主に食べ物による血糖値の変化などによって起こるためです(34,35)。
短時間睡眠を目指すなら、食事のポイントとして次の3つを心がけてください。
- 腹八分目で食べること。目安としては「ちょっと少ないかな?」と感じる量に。お腹がすきすぎる場合は、間食をとりましょう。
- 炭水化物は控えめに。1回に食べるごはんの量はお茶碗1杯くらいまでにしておきましょう。
- 昼はおかず中心に、炭水化物は夕食で食べる。夜に眠くなってしまっても問題がないためです。
くわしくは食後にウトウト…原因は食べすぎ?眠気をコンロールする3つの食事法をご覧ください。
また、寝る前の食事も睡眠の質を下げるためオススメしません。寝る3時間前までに済ませるか、軽い食事に分けて食べるようにしてください(36,37)。
ステップ4.睡眠時間を短くする
以上の3ステップで「最近よく眠れてるな」「日中も調子が良いな」と思ったら、いよいよ睡眠時間を短くしていきましょう。
4-1.「1週間に15分ずつ」を目安に短くしていく
睡眠時間を短くする際は、少しずつ慣れさせるように短くすることがコツとなります。
いきなり短時間睡眠にするのはオススメしません。なぜなら、身体は急な変化を嫌うため、リバウンドしてしまう危険があるからです(38,39)。
目安としては「1週間に15分ずつ」起きる時間を早めていきましょう。かなりスローペースだと感じるかもしれませんが、リバウンドせずに安全に行うためには、これが限度です。
手順としては次のようになります。
- 起きる時間を15分だけ早くして睡眠を短くする。
- カラダの不調を感じないなら、次の週でも15分短くする。
- 自分の状態を確認しながら、できるところまで短時間にする。
これを基本に、あくまで慎重に行うようにしてください。
4-2.睡眠の記録をつけて、トライ&エラーをくり返す
短時間睡眠にしていくプロセスを確実にするために、睡眠の記録をとっておくこともオススメします。
- 睡眠時間
- 食事や日中の活動の内容
- 寝る前の習慣は守れたか
- 目覚めは良かったか
- グッスリ眠れたと感じるか
といった項目をエクセル等で記録すると続きやすく、進歩も早くなるでしょう。自分で作ってもかまいませんが、こちらから記録用のシートをダウンロードできます。
4-3.最終的に、どこまで短時間にするのか
短時間睡眠を目指すなら、目安としては5時間が限度でしょう。
アメリカ睡眠財団によると、最低でも6時間以上は眠るべきだとされていますが、あくまで一般的な基準です。ちょうど良い睡眠時間には個人差があり、年齢や体質、生活習慣によって変わります。健康を保つには、5時間で充分だとする専門家もいるほどです(40,41)。
自分のカラダと相談しながら、自分にとって最適な睡眠時間を探すように調整してください。
失敗パターン別3つの対処方法
ここまでにお伝えした4ステップが短時間睡眠を実現する方法です。しかし実際にやろうとすると、難しい部分も出てくると思います。
やっていく中での失敗パターンとしては、次の3つが考えられます。
- 良い睡眠のための習慣が続かない。めんどくさくてやらなくなってしまう
- 朝、二度寝してしまうことがある。
- 予定のある日は寝る時間が遅くなってしまう
失敗してしまった場合は、次にお伝えすることを思いだしてください。
失敗パターン① 良い睡眠のための習慣が続かない。めんどくさくてやらなくなってしまう
短時間睡眠を成功させるには、良い睡眠のための習慣を続けることがもっとも大事です。めんどくさくて習慣が続かなかった場合は、欲張らずに少しずつやることを心がけてください。
具体的には、次の3つのポイントを意識すると続きやすいでしょう。
- 新しい習慣を取りいれるときは、1つだけにする
まずはステップ1の中からできそうなことを1つ選び、それだけを毎日つづけることに集中してください。続いてきたら、少しずつ加えるようにして進めていきましょう。 - 「〜たら、〜する」の形でやるべきタイミングを意識する
「お風呂からあがったら、ストレッチをする」というように、やるタイミングを明確にすることで、やるかやらないかで迷うのを防ぎます。 - めんどくさくても、全くやらないより少しでもやることを目標にする
完璧にこなそうとすると、めんどくさくなってしまいます。たとえば寝る前のストレッチなら1分だけでもやることです。「少しだけ」を続けるうちに、習慣は育っていきます。
特にステップ1〜3にかけては、毎日の睡眠習慣が定着することが重要です。ちょっとでもやればOKということにして、焦らず少しずつ進歩を重ねましょう。
失敗パターン② 朝、二度寝してしまうことがある。
朝起きたときに、ステップ2のポイントを忘れてしまっているか、徹底してできていないことに二度寝の原因があると思われます。
目を開ける、身体をのばすといった「目覚めの即起きルーチン」を紙に書いて枕元の目にとまるところに貼っておきましょう。こうすれば忘れません。目に入って少しでも意識にあがったら「迷わず、すぐにやる」ようにしてください。
また、最初は目覚めたあとの流れを練習しておくこともオススメします。練習でスムーズにできなければ、寝起きの本番ではもっと難しくなるからです。
くわしい二度寝対策については、こちらの記事をご覧ください。
失敗パターン③ 予定のある日は寝る時間が遅くなってしまう
週末など、夜の予定でベッドに入る時間が乱れがちだ…という方は、イレギュラーな日のスケジュールを決めておくことをおすすめします。
上の図のように「遅くてもこの時間までには寝る」という時間を決めておくと、睡眠習慣へのダメージをなるべく抑えられるでしょう。外出先でも帰る時間を意識できるようにスマホのアラームを設定しておきましょう。
また、睡眠のリズムを守るために翌日はふだんと同じ時間に起きてください。やや睡眠不足になる場合は、90〜120分程度の長めの昼寝も活用して睡眠時間をおぎなうと良いでしょう。
その他の睡眠時間にまつわるQ&A
最後に、睡眠時間にまつわる疑問についてQ&Aでお答えします。
Q1.3時間以下の超短時間睡眠で生きている人はどうなっているの?
3時間以下の超短時間睡眠の方には特殊な遺伝子の変異があり、生まれつきの体質として睡眠時間が短くても済むのだと考えられています(42,43)。
多くの方の場合、ここまでの睡眠時間は不可能に近いため、削ったとしても5時間睡眠あたりが現実的でしょう。
Q2.長時間睡眠ってどうなの?
9時間以上寝るといった長時間睡眠も良いとは言えません。寝ている分だけメリハリのある生活から遠ざかるため、結果として不健康になると考えられています(44)。
さらにくわしく:寝すぎは不健康!?長時間睡眠でも寿命が縮んでしまう5つの理由
Q3.本当に睡眠時間を削っても大丈夫?
健康でいられる限りは、睡眠時間を削っても大丈夫でしょう。
睡眠時間は人それぞれです。「8時間は眠らないとダメ」という根拠はありません。本当に8時間も眠らないといけないのは、育ちざかりの子どもくらいでしょう。一般的に、そこから年をとるほどに睡眠時間は短くなっていきます(45)。
あなたの生活スタイルや価値観によって、ちょうどいい睡眠時間に調整してみてください。睡眠時間が長すぎると感じるなら、短くしても良いのです。
もちろん、ムリをしてまで睡眠時間を削るのはオススメしません。あくまで「ほどほどの」短時間睡眠を目指すようにしてください。
Q4.これ以上睡眠時間を短くすると眠くなってしまうが、やはり時間が足りない。
仕事や生活のスタイルや、時間管理を見直してください。例えば、1日の時間を何に使ったか記録をつけてみると、忙しいと思っていた中に多くのムダな時間が見つかるかもしれません。
時間の使い方については、以下の記事や書籍が参考になると思います。
睡眠時間を削るのはあくまで最終手段の1つです。本当にベストなのは、あなたの能力が最高な状態で、最大の時間を、あなたのやりたいことにつぎ込むことだと思い出しましょう。
まとめ
短時間睡眠にはメリットもデメリットもあります。このバランスをしっかり見極めて、自分にとって「ちょうど良い」程度の短睡眠時間で眠れるようになっていただければ、毎日がより充実したものになるでしょう。ぜひ、今回紹介した方法を実践していただければ幸いです。
参考文献
Sleep Debt: Tips for Catching Up on Sleep | Sleep.org
Thatcher: Can people get by on four hours’ sleep? – BBC News
Thomas Edison, Power-Napper: The Great Inventor on Sleep and Success – Brain Pickings
14 bizarre sleeping habits of super-successful people | The Independent
Why Do We Sleep, Anyway? | Healthy Sleep
Sleep On It | NIH News in Health
Sleep deprivation: Impact on cognitive performance
Mortality Associated With Sleep Duration and Insomnia
Jeff Bezos: Why Getting 8 Hours of Sleep Is Good for Amazon Shareholders
Physiology of growth hormone secretion during sleep. – PubMed – NCBI
Sleep, vigilance, and thermosensitivity. – PubMed – NCBI
Effects of bathing and hot footbath on sleep in winter. – PubMed – NCBI
A shower before bedtime may improve the sleep onset latency of youth soccer players. – PubMed – NCBI
Avoid email before bed, insomniacs warned – Telegraph
Chamomile: A herbal medicine of the past with bright future
Herbal medicine for insomnia: A systematic review and meta-analysis. – PubMed – NCBI
Natural Patterns of Sleep | Healthy Sleep
Sleep inertia. – PubMed – NCBI
Body Temperature Change During Sleep | Sleep.org
Melatonin and Sleep – National Sleep Foundation
Who, What, Why: How long is the ideal nap? – BBC News
Body Clock & Sleep – National Sleep Foundation
Is Resting as Beneficial as Sleeping | Sleep.org
What Causes Diabetes Fatigue? – Diabetes Self-Management
Reactive hypoglycemia: What causes it? – Mayo Clinic
Growth hormone secretion during sleep
Human Growth Hormone and Insulin are Friends – Eat to Perform
Become a Morning Person – Here’s How
How to Fix Your Sleep Schedule | Everyday Health
National Sleep Foundation Recommends New Sleep Times
Five hours’ sleep is enough, study finds – Telegraph
BBC – Future – The people who need very little sleep
The Transcriptional Repressor DEC2 Regulates Sleep Length in Mammals
Who Are the Long Sleepers? Towards an Understanding of the Mortality Relationship