いびき対策

本当は怖い「いびき」の話。改善のための知識【原因から対策・治療まで】

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いびき、うるさい」と言われたことはありませんか。寝ている間に、周りに迷惑をかけたくはないですよね。自分のいびきで目覚めてしまう方もいると思います。

実は、そのいびきは健康を奪う危険なサインの可能性があります。単にうるさいだけでなく、グッスリと眠れない原因にもなり、いびきをくり返す場合には重大な病気が隠れていることもあります。そのまま放っておくと、早死にするリスクを高めることになるかもしれません。

この記事では、本当は怖い「いびき」による健康リスクをチェックして、スヤスヤと健康的に眠るために知っておきたいことをお伝えしていきます。

※この記事は、呼吸器内科医、今本拓郎が監修しています。

1.放っておくと怖い、いびきの健康リスク

いびきは単にうるさいだけではなく、以下のようにあなたの健康を奪う可能性があります。

睡眠の質が下がってしまう

まず、いびきはぐっすりと眠れなくなる原因の1つです。

図のように、いびきは主に喉の空気の通り道がふさがることによって起こります。これは、寝ている間にうまく呼吸ができないことを意味します。

つまり、毎晩寝ている間に酸欠状態になっているということです。酸欠状態になると、脳は目ざめて、呼吸を確保しようとます。そしてまた眠ると、いびきをかき、酸欠になって目ざめる。このくり返しによって、グッスリと眠れなくなってしまう可能性があるのです(1)

「いびき」で寿命が縮む? 睡眠時無呼吸症候群とは

また、毎日のように慢性的ないびきをかく人は「睡眠時無呼吸症候群」と呼ばれる病気の可能性があります。

この病気は、眠っている間に呼吸が止まってしまうというものです。1時間に5回以上、それぞれ10秒以上呼吸が止まる場合はこの「睡眠時無呼吸症候群」とされます。

はっきりとした数は調査されていませんが、日本では200〜300万人以上(おおよそ50人に1人)の患者がいるとも考えられています。しかし患者の85%以上は診断を受けていない状況です(2)

睡眠時無呼吸症候群は、以下のような健康リスクを高めてしまうと言われています(3)

実際に、米国での18年間にわたる調査では、重度の睡眠時無呼吸症候群の患者は、心血管疾患による死亡率が5.2倍になっていたとの結果も報告されています(4)

2.いびきをかきやすい人の7つの特徴

次に知っておきたいことは、いびきをかきやすい人には次の7つの特徴があるということです(5)

特徴1.太っている
太っていると、喉まわりの肉が気道を塞ぎやすくなります。

特徴2.お酒をよく飲む
寝る前にお酒を飲むと、アルコールは喉の筋肉をリラックスさせてしまい、寝ている間に気道がふさがりやすくなります。

特徴3.鼻づまりがある
鼻の通りが悪いと、いびきをかきやすくなります。

特徴4.あお向けで寝ている
仰向けで寝ていると、舌が気道(空気の通り道)をふさぎやすくなります。

特徴5.舌が大きめである
舌が大きめの方は、寝ている間に気道がふさがりやすいとされます。

特徴6.あごが小さい
特に日本人は欧米人に比べてあごが小さく、もともと気道が狭い人が多いために、肥満ではない人にもいびきが多く見られます。

特徴7.男性である
男性は女性よりもいびきをかきやすい傾向があるとされています。

自分のいびきを確認する方法

上の7つの特徴にあてはまるなら、自分がいびきをかいていないか確認してみましょう。

方法1.隣で寝ているパートナーに確認する

隣で寝ている方がいるなら、夜中にいびきをかいていないか聞いてみましょう。

方法2.スマホアプリでチェックする

一人暮らしの方など、一人で寝ている方は、スマホアプリをつかってみましょう。「いびきラボ」というアプリをオススメします。寝ている間のいびきを録音でき、自分でチェックが可能です。

アプリのダウンロードはこちら(無料):iPhone / Android

3.危険度に合わせた対策・治療をしよう

もし、いびきをかいているとすれば、もう一つチェックしておきたいことがあります。どれくらいの頻度でいびきをかくか、です。

1.たまにいびきをかく場合

たまにいびきをかく程度なら、この後にお伝えする方法で改善する可能性が高いでしょう。生活習慣を変えることなどによって、いびき対策ができます。

2.毎日のようにいびきをかく場合

もしあなたが毎日のようにいびきをかいているとすれば、それは睡眠時無呼吸症候群など、病気による慢性的ないびきである可能性があります。

いびきの危険度をチェックする「STOP-BANG質問表」というものがあります。次にあげる8つの項目のうち3つ以上にあてはまる場合、病院での検査がすすめられています(6)

いびきの危険度をチェックする8項目

1.隣の人にも聴こえるほど大きないびきをかいている
2.日中もよく疲れや眠気を感じる
3.寝ている間に呼吸が止まったり息苦しくなっているのを人に指摘されたことがある
4.高血圧だ
5.BMIが35以上だ(こちらで計算できます)
6.50歳以上である
7.首が太い(喉仏の周りが40cm以上)
8.男性だ

4.軽度のいびきを改善する7つの方法

いびきを改善するために、今日から始められる方法があります。

少しでもいびきをかくなら、次の7つの方法のいずれかを試してみてください(7)

方法1.寝る姿勢を横向きに変える

まずは寝る姿勢を横向きに変えてみましょう。寝ている間に舌が空気の通り道を塞ぎにくくなります
横向き寝をキープするために、抱きまくらや横向き寝専用の枕を使ってみるのも効果的です。

方法2.寝る前のお酒をひかえる

いびきを防ぎたければ、寝る前のお酒はひかえるようにしてください。アルコールは喉まわりの筋肉をゆるめてしまうため、空気の通り道がせばまっていびきにつながるからです。

飲むとしても、寝る2〜3時間前には飲酒をストップしましょう。

方法3.寝る前に水分補給をする

できれば寝る前にコップ1杯のお水を飲みましょう。水分不足によって舌が乾いていると、空気の通り道を塞いでしまいやすくなるからです。ただし、高齢の方で夜間の頻尿がある場合はオススメしません。

方法4.いびき対策グッズを使う

いびきに効果的な対策グッズを使ってみましょう。使ってみて損はないものを紹介します。

いびき対策スプレー

寝る前に口の中にシュッとスプレーすると、喉の空気の通りがスムーズになり、いびきが軽減したという声があげられています。

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いびき防止ノーズピン

寝る際に鼻に取りつけるだけで、鼻の通りが良くなり、いびきの原因である息苦しさが軽くなることが期待できます。

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方法5.痩せる

太り気味の方は体重を落としてください。肥満はいびきの大きな原因です。とくに首まわりの肉は空気の通り道をふさぐため、いびきに直結します。

ダイエットは運動よりも毎日の食事管理が大事です。「あすけんダイエット」のようなアプリを使うと、めんどくさい食事管理もラクにできるためオススメです。

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方法6.鼻の通りを良くする

鼻がつまりやすい方は、鼻の通りを良くしてみてください。いびきの中には、鼻の穴がせばまっているために起こるものもあるからです。

寝る前にシャワーを浴びたり、可能なら塩水(生理食塩水)で鼻うがいをすると効果的です(8)

鼻の通り道を広げる「ブリーズライト」などのグッズを試してもいいでしょう。

方法7.良い睡眠をとる

良い睡眠をとって、疲れをとるのも効果的です。疲れがたまっている状態では、舌がたるんで空気の通り道をふさいでしまうことがあるからです。

良い睡眠をとるためには、寝る前にお風呂に入ったり、ストレッチ瞑想を取りいれてリラックスをすることをおすすめします。

5.重度のいびきは病院で検査・治療をしよう

毎日のようにいびきをかく場合は、まず病院での検査が勧められます。

いびきを主に扱っているのは、呼吸器科、耳鼻咽喉科、循環器科などです。「いびき外来」や「無呼吸外来」といった専門の外来を設けている病院もあります。

慢性的ないびきをかく「睡眠時無呼吸症候群」は、放っておくと危険です。病院で早めの検査と治療を行って、健康的な眠りをとり戻しましょう。

睡眠時無呼吸症候群の検査

病院での検査には問診・レントゲンのほか、次のようなものがあります(3)

簡易キットでの検査

いびきがどれほど深刻かを測るために、病院から簡易キットを貸し出される場合があります。この装置を取りつけた状態で眠り、鼻や口の気流や、血液中の酸素濃度を計測します。

ポリソムノグラフィー検査(PSG)

簡易キットでの検査で睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合、上の動画のような睡眠中の脳波を測る検査(ポリソムノグラフィー)を行います。

睡眠時無呼吸症候群の治療

睡眠時無呼吸症候群の治療には、減量や生活習慣の指導のほかに、次のようなものが行われます(2)

CPAP療法


photo by: sleepmedics.co.uk

いびきの症状が重度の場合には、口や鼻にマスク状の器具をつけて眠るCPAP療法(持続陽圧呼吸療法)が行われます。寝ている間、気道に空気を送り込み、安定した呼吸を助ける方法です。

睡眠時無呼吸症候群に対して大きな効果が認められており、CPAP治療を受けた場合、心臓発作が起こる確率は10年後に約15%も低下するとも報告されています(1,9)

マウスピース療法

いびきの症状が軽〜中程度の場合には、マウスピースのような器具をつけて眠る治療法がつかわれます。下あごが前に出るように固定し、寝ている間の気道を広くすることによって呼吸を助けます。

手術

気道をふさいでいる原因(腫瘍や肥大など)がはっきりとわかっている場合は、それをとり除く手術が行われることもあります。

6.いびきにまつわるQ&A

最後に、いびきにまつわる疑問をQ&A形式で紹介します。

女性でもいびきをかく?

女性でもいびきをかくことはあります。一般的にいびきは男性のほうが多いと言われますが、女性のいびきは発見されづらいからだとも考えられています(10)

よく眠れた感じがしない、日中の疲れなどの症状があれば、まずはいびきをチェックしてみてください。

子供がいびきをかいている場合は?

早めに耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。喉の中が腫れて大きくなることによってうまく呼吸ができなくなり、いびきが発生している場合があります(11)

隣の人がいびきでうるさい。どうすれば眠れる?

いびきでうるさいときもぐっすりと眠るには、寝ている間に聴こえる音をやわらげると効果的です。

耳栓:密閉性の高いフォームタイプのものを使ってみましょう。

ホワイトノイズマシン:寝ている間にサーーという音を出し続け、周りの音を和らげます。

まとめ

いびきはただ単にうるさく周りに迷惑なだけではなく、眠りの質や健康を損なう危険なものである可能性があります。

人生の3分の1である睡眠時間を、いびきによって台無しにしてほしくはありません。ぜひ今回お伝えした方法にしたがって、スヤスヤと快眠を手に入れていただければ幸いです。

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【監修】今本拓郎

【監修】今本拓郎

千葉大学医学部卒 内科認定医、呼吸器内科医 所属:日本呼吸器学会・内科学会・呼吸器内視鏡学会

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